駆立犬豚日記

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防御率0点台

斉藤和巳が沢村賞を受賞した。
26試合の登板でセ、パ両リーグトップの18勝(5敗)を挙げ、防御率もリーグでは14年ぶりの1点台となる1.75。投球回数は201回で8完投(5完封)、205奪三振、勝率7割8分3厘だった。

当然のように満場一致の受賞。選考委員長の稲尾和久も「久々に防御率1点台の投手が生まれた。もめることなくスムーズに進んだ」とコメントしているとおり、近年希に見るハイレベルな受賞者である。

さて。
その稲尾和久、実はパリーグ記録の防御率1.06をルーキーイヤーの1956年に記録している。
今年の斉藤和巳を見ていた方ならお分かりかと思うが、防御率1点台というのはもう「いつ点を取られるんだ?」と言う状況である。稲尾はその「防御率1点台」を5度記録し、生涯防御率も1.98と言うとんでもない記録を残している。生涯を通じて「ほとんど点を獲られなかった投手」なのだ。

防御率のシーズン歴代記録はどうなっているかと言うと
順位 名前 所属 防御率 達成年
1 藤本英雄 東京巨人軍 0.73 1943
2 景浦將 大阪タイガース 0.79 1936秋
3 沢村栄治 東京巨人軍 0.81 1937春
4 野口二郎 大洋軍 0.88 1941
5 林安夫 朝日軍 0.887 1943
6 森弘太郎 阪急軍 0.889 1941
7 野口二郎 翼軍 0.930 1940
8 景浦將 大阪タイガース 0.931 1937春
9 須田博 東京巨人軍 0.97 1940
10 村山実 阪神タイガース 0.98 1970
参考:Wikipedia
1~9までは1リーグ時代のものであり、あまりに野球が違いすぎる。実質のセリーグ記録は1970年に村山が記録した0.98。なんと防御率0点台。
当時を知るプロ野球ファンに聞くと
「あの年村山が点を取られる事は翌日のスポーツ紙一面ものだった」と言う。
誇張にしても「全く点を取られない」と言うイメージだろう。
稲尾もよく
「野球人生でやり残したこと。それは防御率0点台」
と話しており、それはまさに投手の夢の数字なのだ。
その防御率0点台に近年最も近づいた男がいる。
あの古田敦也が「今まで受けてきた中で最もすごいと思った投手」と言う、伊藤智仁が1993年に防御率.091を記録している。
1992年。バルセロナオリンピックで日本のエースとして活躍した伊藤はドラフト1位でヤクルトに入団。ルーキーながら150km/hを常時超え、ほとんど急速が変わらないながら大きくスライドして曲がるスライダーを武器に三振の山を築いた。

先に「記録している」と書いたが、これは厳密に言うと誤りである。防御率のシーズン記録は「規定投球回数」に達していなければ記録としては成り立たない。規定投球回数は総試合数×1なので、1993年、伊藤は109イニング投げている。この年ヤクルトは132試合行っておりあと23イニング登板していれば公式記録に残ったのである。
では何故あと23イニング、3試合が投げられなかったのか。

1993年。ルーキーの伊藤は酷使され続けた。
中6日。一週間に一度の登板とはいえ各球団エース格をぶつけてくる。0-0で9回裏2アウトから篠塚にサヨナラホームランを打たれたシーンを憶えている方も多いだろう。
延長当たり前。
0点台なので、当たり前のように0更新。そして、肘を壊してしまった。
肘の故障は肩に影響を及ぼし、その後何度か復活するも結局150km/h台のストレートも「史上最強」と言われたスライダーもみせることが出来ずに2003年限りで現役を引退。手術とリハビリを繰り返した肩は、最後には104km/hの直球を投げるのがやっとという状態だった。

再生工場と呼ばれる一方で、岡林や西村を故障に追い込むほど酷使した実績のある野村克也が監督だったのだ。
野村は投手コーチに「壊れるからもう使わないでください」と進言されていたのを強行して使っていたという。
でも。野村ファンだから言うのではないのだが、ちょっと野村のカタを持ちたい。
あの年の伊藤智仁は稲尾や村山に並ぶ名投手だった。
阪神ファンの私だが、伊藤が阪神戦に登板したら「打てなくてもいい」とさえ感じたほどだ。
もっと伊藤が投げている姿を見たかった。
そして、防御率0点台が見たかった。
あと3試合。
見たかった。
伊藤智仁が沢村賞を受賞している姿を。ちなみに1993年最優秀防御率のタイトルは山本昌の2.03。沢村賞は今中慎二。防御率2.20。

斉藤和巳よ。
来年、日本一のマウンドに立っていてくれ。
そして、伝説の投手になってくれ!
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コメント

>ぼんさん
阪神の真弓が
「あのスライダーを初めて見たときに
『これは歴代の名投手達が敢えて投げなかった領域の球じゃないんだろうか。』
と思った。」
と言っています。
早い話が、歴代の名投手達すら投げていなかった球って事ですよね。
すごい。

>ハニハニさん
これが、現実。
和己にもホークスファンにもプロ野球ファンにも忘れられないシーンです。

>ボブさん
そうなんすよ。
てかセ・パ分裂後は村山1人。
そんな投手を見てみたいですよね。

篠塚に打たれてグラブを叩きつける姿は目に焼きついてますよ。ホントに伊藤智仁はすごかった。あの高速スライダーは打てないよ。魔球だった。youtubeとかで今見ても凄まじいもんなー。

セリーグの黒田も防御率1点台だったから今年は両リーグ揃って防御率1点台の投手がタイトルを獲ったんだね。

セでは斉藤(巨人)以来17年ぶりの快挙。
例年防御率が高めのパでの1点台は立派だね。
パの場合3点台前半でタイトルが獲れたシーズンがあったし、セに比べると防御率が高めだしね。
てか、2リーグ制になってからはパには防御率0点台の投手は1人も居ないのね。

そ、その写真は・・・(涙

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最近は「週刊ひがしおおさか」の中の人として活動しておます。
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